promised tune




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アルビオールが再びグランコクマに降り立ったのは、予定を大幅に過ぎた二週間後のことだった。
「アッシュ!ガイ!」
真っ先に外へ飛び出してきたルークが、街の入り口に二人の姿を見つけて声をかけた。
「ルーク、遅かったじゃないか…何かあったのか?」
「ああ、色々と…」
ルークは言いよどんで、後ろを振り返る。
その後に続いて降りてきたナタリアが、ルークのもとへ駆け寄ってきた。
「お待たせして申し訳ありません。すべてわたくしの責任ですわ」
「違うよ、ナタリア…」
その様子に、アッシュは思い当たることがあった。
ナタリアが、本当はインゴベルト国王の子供ではないと、危うく処刑されかかった事件があったことを。
「理由は後でいいだろう。それよりも…停戦はできるんだな?」
「ええ、お父様より書状を頂いてきました。これでようやくマルクトとの和解に臨めますわ」
ナタリアは屈託なくお父様≠ニ言った。その様子に、アッシュはひとまず安堵する。
横を見ると、ルークもアッシュと同じような表情をしていた。
目が合うと笑いかけてくる。
無意識にそれに答えようとして、アッシュは慌てて口元にぎゅっと力を入れた。
「こっちは拍子抜けするほど何事も無かったぜ。てっきりヴァンの邪魔が入るかと思ったけどな」
ガイが肩をすくめる。
「ガイ、怪我の具合はもういいのか?」
「もちろん、この通りだ」
ほっ、と軽い掛け声と共に、ガイは宙返りをしてみせる。
「おや、随分元気ですね。やはりリハビリの効果ですか?」
にやりと笑ったジェイドに、ガイは強く首を振る。
「勘弁してくれ…ブウサギの散歩なんて、リハビリというより拷問だぞ。あいつら餌になりそうなものを見つけるとてこでも動かないんだ…」
「ブウサギ…?」
「まあそれは後で見せてもらえばわかりますよ。それでは、陛下に謁見と参りましょうか」
「あ、ああ…」
ピオニーの待つ謁見の間へ向かうと、そこにはピオニーだけではなくディストの姿もあった。
「ジェイド!遅いじゃないですか…!」
そう言うディストに、いつもの勢いが感じられない。良く見ると、目の下にくっきりとクマが出来ている。
「やー、ご苦労だったな」
対照的に朗らかな様子のピオニーは、ナタリアの差し出した書状に目を通すと満面の笑みを浮かべた。
「いい知らせと悪い知らせがあるんだが、どっちが先がいいかな?」
一行の視線がルークに集中する。
「え?俺?えーと、じゃあその…いいほうで」
「よしよし。振動周波数の計測が思ったよりも早く終わったんで、シェリダンにタルタロスとアルビオールの改修を依頼してきた。なんかえらく張り切った爺さんたちでな、タルタロスの準備はほぼ完了したそうだ」
「じゃあ、あとはアルビオールですね」
「そういうことだ。続いて悪いほうだが…」
その場の空気が一気に緊張する。
「ここ数日、パッセージリングの活動異常の報告が相次いでいる。地震の頻度も日増しに増えていることを考えると…大地の崩落まで、もうあまり余裕がないらしい」
「それはキムラスカ側でも感じていました。特にケセドニア周辺では地震が頻発しています」
「もう時間がないのですね…国内の準備が間に合うとよいのですが」
ナタリアも深刻な顔で頷く。停戦が指示されたばかりの両軍は、民衆の大地降下準備にまで手が回っていないのが実情だ。
「そうだな。だが、準備が整うのを待っているうちに世界が崩落してしまっても意味がない。帰ってきたばかりのところを申し訳ないと思うのだが、アブソーブゲート・ラジエイトゲートでの降下準備に入る時期が来ているようだ」
「…わかりました。なるべく早く支度をして、そうですね…明日には降下準備を始めましょう」
ジェイドの言葉に異を唱えるものはいない。
「恐らく、何らかの邪魔が入るだろう。しっかり準備していけよ」
「はい!」

そして、世界の運命を握る日が訪れた。

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