promised tune




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空を横切る銀の影。
アルビオールがナム孤島へ着くと、監視室の映像でそれを知ったルークたちは、島の上部にある僅かな平地へと向かった。
風の吹きぬける音。
短くなった髪が首筋を撫でるくすぐったい感触。
ルークは着地場所を求めてアルビオールが旋回するのを、じっと見ていた。
「アッシュさん!かなりギリギリになりますが、島の上部の平地に着地しようと思います」
「わかった」
ノエルは深呼吸すると、操縦桿を握り締める。
アッシュは次第に近づいてくる島の上に、小さくルークの姿があるのを見つけた。
心のどこかでホッとするのと同時に、ガイに言った言葉を思い出す。
俺はルークのほうが好きだが
奇遇だな、俺もだ
ルークが好きだ。
だがきっとそれは、ただ甘ったるい好意の感情ではない。
きっと…誰にもわからないだろう
その存在にどれだけの物を奪われたか、どれだけ心を引き裂かれたか
自分のものであるはずの場所で生きている、その存在全てを憎んでいた。
―――憎んでいた、はずだった…
僅かな振動と共に、アルビオールは狭い平地に着地した。
ノエルの合図でベルトを外し、アッシュはハッチをくぐる。
そこには予想通り、ルークがいた。
アッシュを見たルークは、花のように笑う。あるいは、生まれたての、喜びの感情をそのまま笑みに乗せる赤ん坊のように。
その腕を、思わず引き寄せた。
「…っ?」
吹き抜けた強い風に、一切の音がかき消される。
―――わからないだろう?
始めてその存在を知った日。
エルドラントで、約束だと叫んだその声。
アクゼリュスの崩壊の中、ルークを見失ったとき。
そして、今。
どれだけ心を奪われたか。
どれだけ心をかき乱されたか。
―――きっと、コイツにだってわからないだろう。
アッシュはそれを悔しいと思った。
同じ顔、同じ体温、同じ鼓動。
もしかしたら、奪われたものを取り返したいだけなのかもしれない。
愛情なんて言葉よりももっと本能的で、幼稚なものなのかもしれない。
元々ひとつだった存在。それが今や、こんなにも遠い。
その全てを自分のものにしたいと、心の奥からこみ上げる欲求。
それは…
「アッシュ?」
耳元で、ルークの戸惑いの声。
遠慮がちに、そっと背中に添えられる手。
「勝手な真似ばっかりしてるんじゃねえ、この馬鹿」
「うん、ごめん…」
言葉を継ごうとして、横から聞こえた密やかな笑いにアッシュは我に返る。
すぐ横では、イオンが微笑んでいた。
思わずアッシュはルークを突き飛ばすように赤面して離れる。
よろめいたルークの、その頬もまた赤かった。
「…帰るぞ」
そう言って再びアルビオールの中へと戻っていくアッシュの耳を、風がまた笑いながら吹き抜けていく。
頬の熱さに、どうしても後ろを振り返ることが出来なかった。

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