promised tune





***


強烈な光と風が迸る。
ルークを見つめていたジェイドたちの目の前が、いきなり真っ白に眩んだ。
「どうなってるんだよ!」
ガイが叫ぶ。
気配も風にかき消され、ルークやヴァンの位置さえうまくつかめない。
すぐ近くに居る筈なのに。
もどかしく思いながらも、ルークの提案どおりにジェイドとティアが張った譜術障壁の中でガイは懸命に目を凝らしていた。
「ロー…レライ…」
風の中にルークの声が小さく聞こえる。
「ルーク!」
「ガイ、無闇に動くと危険です」
飛び出そうとしたガイを、片手で障壁を維持しながらジェイドが制止する。
「だからって放っておけるかよ!」
叫んで、ガイは歯を食いしばる。
長く感じたが、実際は一分にも満たない程度だったかもしれない。
「あれは…」
光が収まった時、ヴァンとリグレットの姿が消えていた。
ただ一人うずくまるルークの身体を淡い光が覆っている。
記憶粒子がルークに触れるたびに輝いて砕ける。
それを目にしたとたんに、制止を振り切ったガイが駆け寄っていった。
「ルーク、おいルーク!大丈夫か?」
「ご主人様!」
ルークの肩を揺さぶると、後からかけてきたミュウも心配げに下から覗き込む。
「ガ…イ?」
障壁を解いたティアたちも一斉にルークに駆け寄る。
「ルーク、しっかりしてください!」
「ああ…大丈夫…だから」
どこか寝起きのようにも見えるルークの返答に、張り詰めていた空気が一気に緩む。
改めて辺りを見渡したティアが、眉根を寄せて呟いた。
「兄さんと教官は…」
「恐らく風と光に紛れてこの部屋から出たのでしょうね」
ジェイドが反対側の入り口を指す。
ティアはどこかホッとした表情で、扉から続く薄暗い通路をじっと見つめた。
敵だとわかっていても、敬愛する兄と教官なのだ。もしどこかで生き延びてくれたら、と思わずにはいられない。
「ルーク、治癒が必要でしたら私が…」
ルークの額に手をかざしたナタリアが息をのむ。
「…!ルーク、その目…」
視力を失った左目が、金色の輝きをたたえていた。
「みゅう…なんだかいつもと違いますの…」
「どうした?ミュウ」
ルークのほうが不思議そうに問い返す。
「ご主人様の目が、光ってるですの…でも怖くはないですの…」
「光ってる…?」
その言葉にティアが振り返ったとき、アニスが驚きの声を上げた。
「ね、ねぇティア、あれって…」
「あれは…まさか…」
ルークの左目だけではなく、身体全体が淡く光っている。
それはやがて浮かび上がるように、別の人影を形作った。
その人影は驚きに言葉もないアニスたちを見渡し、ティアに目をとめた。





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